以前の自分を重ねて

以前あるソフトウェア開発プロジェクトに参加したときのことを思い出した。そのときの僕は、プログラミング経験は1年半くらいあったが、ソフトウェアをチームで開発した経験がなかった。そして、結果としては、何もできなかった。当時は非常に焦燥感を感じていた。協力会社の人に「yhayashiさんはどこを担当しているのですか?」と聞かれ苦しい思いをしたものだ。自分はソフトウェア開発に向いていないんじゃないかと悩んだ。

しかし、今、思い出すと、それはそれで良い。どこもおかしくない。ソフトウェア開発に限らず、何かを作るという創造的な仕事をする際には、まず思想を統一することが絶対だ。これはボトムアップにできることはまれで、ほとんど場合、同程度の実力と思想をもった少人数のリーダーたちによって決定される。したがって、人が集まれば皆に同じように仕事が分配されるということはない。仕事がなくて空いた時間がある人は、感謝の気持ちを感じながら、次に備えて勉強していれば良い。

こんなことを思い出したのは、今の僕も似たような状況に入りつつあるから。

「自分は今何かをしなければいけない」というのは絶対ではないんだと思う。今の職場の中で力を発揮できなくても、いつか発揮できるように、焦らず勉強を続けていけば良い。「その年齢ではそれで許されない」とか「誰々を見習って」とか言われても、きっとそんなに深刻に悩む必要はないんだ。

僕は、今、軽率な行動に移ってしまうことを恐れている。何も考えずに行動してしまうのは簡単だ。ちょっと偉そうな気分も味わえるかもしれない。これは非常に危険な誘惑だ。精神的に弱っているときには特に。気を付けなければならない。