イノベーションへの憧れ

最近、職場で、「不機嫌の伝播」というのを感じる。と言いつつ、自分も伝播させているのだが。というわけで、人、とくに技術者が読んで、元気付けられるような本を探していた。

逆風野郎 ダイソン成功物語

逆風野郎 ダイソン成功物語

タイトルは「逆風野郎」となっているが、言っていることはすごく正論。きっと、他人に喧嘩売りまくりなのが「逆風」ということなのだろう(笑)。特に、痛快だった論を一つだけ引用。

現代のマーケターは、自分が消費者に訴えたいものがどう生まれ、どう作られているかを学ぶ時間も熱意も持っていない。ただ自分の浅く広い知識や技術を、すでに市場に存在し、世間からだんだんあきられていきたものをより多く売るために使っているだけだ。

僕も、マーケッティング部所属だから、何となく分かる。作っている人の情熱が、売り物に現れているようなものは、めったにない。それともう一つ。マーケティング部にいて感じるのは、「口当たりの良い」言葉の乱用だ。言葉って言い方によってどうにでもなるし、解釈が何通りもできるので、まあ、何でも言えてしまう。しかし、結果として、深い言葉・重い言葉が、浅い知識の下で乱用されているのではないか、と思う。そういう人は、たいてい、半年後には言っていることが変わる。まあ、これは自分にも当てはまっているのだが(泣)。

ダイソンは、成功することで、自分の信じていることが正しいことを証明した。でも、それよりも、この本を読んで伝わってくるのは、「技術者は、自分が本当に正しいと思うことのために働けたら、幸せだ」ということだ。この気持ちを忘れないでいきたいと思う。