技術の話で人を魅了できる技術者

出張で奈良から埼玉へ。うちで作ったシステムの保守作業。

作業としては簡単に終わったので、後は、お客さんの話を聞かせてもらっていた。お客さんは技術系の人で、いろいろ面白い話を聞かせてくれた。半分くらいは分からない話しだったのだが、熱意を感じることができて楽しかった。営業系の人は聞くのがうまくていつも関心させられるのだが、こういう人と話すのも気持ちがいい。

一つ面白い話。この工場では基盤を作っているのだが、不良品があった場合に、その画像イメージを調査するということを行っている。そういうときは、何より重要なのは、ハンダが固まる前の画像らしい。そこで不良の原因を特定できると、ノウハウの蓄積になり、今後の品質向上につながる。

それにしても、なかなかアナログな世界だ。ハンダが固まる前は、部品の付きが少しずれていたりしても、ハンダが固まると表面張力でずれが直ったりする。これらの現象を、画像を比較して見せてくれた。

彼が基盤の画像をチェックする様子は、プログラマが、他人が書いたプログラムを見るのに似ていた。不良がある基盤というのは、やはり、見ていてところどころ違和感を感じるところがあるらしい。これは、プログラマが、「不吉な匂い」を感じることがあるのと同じだろうな。

不良要因特定&ノウハウの蓄積という一連の流れを、プログラミングorソフトウェア開発に適用することはできないだろうか。ソフトウェア開発では「ハンダが固まる前の画像」に相当するものは何になるのだろうか。人間の手を離れる一歩手前ということで、完成後のソースコード(ビルド前)ということになるのかな。もしくは、一人の手から離れる一歩手前ということで、バージョン管理システムにコミットした直後のソースコードということになるのかな。いずれにしろ、なかなか興味深いテーマだ。